RKIVE AIRKIVE AI
Portada: Instagramは静かに“フォロー”中心からレコメンド中心へと再配線している

Instagramは静かに“フォロー”中心からレコメンド中心へと再配線している

By Alberto Luengo|25/09/26
platformscreatorsbrandscontent strategy
Instagramは、発見の主軸を「フォロー」からアルゴリズムによるレコメンドとDMへと移行中——何が変わったのか、そして今どう適応すべきか。

Adam Mosseriは明言した:Instagramはフォローグラフではなくアルゴリズムによるレコメンドを今後さらに重視していく。発見の多くはDMや小規模グループの中で起こるようになっている。ユーザーはトピックや興味のリセットなど広義の“調整”コントロールを得るが、純粋なフォロー中心のフィードが戻ってくることはない。ここでは、何が変わり、なぜ重要で、どう適応すべきかを解説する。


TL;DR

Adam Mosseriが“暗黙の了解”を口にした:Instagramはフォローグラフからさらに離れ、アルゴリズムによるレコメンドへと舵を切る。発見の場はDMや小規模グループへと移行し続けている。ユーザーは「見たいもの」を“調整”するためのコントロールを得るが、それは広範な(トピックや興味のリセットなど)ものであり、純粋なフォローフィードが戻るわけではない。ここでは、何が変わり、なぜ重要で、どう適応すべきかを解説する。


実際に何が変わったのか

  • レコメンドが増え、フォローが減った。Metaは何年も前からこの方向に進んでおり、2024年初頭にはInstagramで見ているコンテンツの約50%が、すでにフォローしていないアカウントからのAIレコメンドだった。この割合は今も増え続けている。(Newszii)
  • Mosseriの最新の発言:最近のReelやスレッドで、Instagramがレコメンドコンテンツへの注力をさらに強めていること、これまで優先度の低かったカテゴリまで拡大すること、そしてユーザーがそれを“増減”できるようになることを改めて示した——だが「フォローのみ」に戻ることはない。1月には政治的コンテンツを“強度コントロール付き”で推奨対象に含める方針を示し、この方向性をさらに明確にしていた。(The Verge)
  • “チューニングノブ”(だが精密ではない):Instagramは「コンテンツ設定」をより前面に出している。もっと見る/減らす、興味なし、センシティブコンテンツの制御、さらにはレコメンドのリセットなどだ。便利ではあるが、これらはトピックレベルの広いレバーであって、「自分が選んだ人だけを見る」というスイッチではない。(Androidsis)
  • DMが新たな発見の場に。Instagramは、ストーリーへのReel返信やDMショートカット、グループプロンプトなど、共有や発見をインボックス内へ誘導する機能を次々と導入している。Mosseriは「人々は投稿するよりもプライベートで共有する」と明言しており、それがプロダクトの方向性に反映されている。(Popular Science)
  • フォローグラフを無視する実験。InstagramはTrial Reelsなど、フォロー関係に依存しない形でコンテンツを非フォロワーに届ける実験を行っている。これは“レコメンド・ファースト”な配信の実践例だ。(SlashGear)

つまり今、InstagramのフィードやReelsのランキングは、「フォローしている人の投稿」ではなく、「システムがエンゲージメントを予測したもの」と、DMでの共有などのシグナルによって最適化されている。


なぜこれはクリエイター、ブランド、企業にとって重要なのか

  1. フォロワー数がリーチの決定要因ではなくなる。優れた投稿はフォローされていない人々にも届けられる一方で、魅力に欠ける投稿は大規模なオーディエンスがいても埋もれる可能性がある。(多くのチームが“宝くじ感覚”と表現する理由だ。)
  2. プライベート共有が新たなパワーシグナルに。DM転送やグループチャットでの反応こそが、投稿をより広いレコメンドプールへ押し上げる。公開の「いいね」やコメントだけでは測れない。(Popular Science)
  3. コントロール ≠ キュレーション。トピックや興味設定を使ってInstagramに“ヒント”を与えることはできるが、デフォルトで「フォローのみ」のモードは存在しない。ユーザーの選択とプラットフォーム最適化のせめぎ合いは続く。(Androidsis)
  4. Metaは“入口”を広げることに前向き。Instagramが政治的コンテンツまで推奨対象に含めるなら、ユーザーが見ると予測されるものは何でも推奨する——つまり「フォロー」はもはや主要な“ゲート”ではないということだ。(The Verge)

imageNews


発見の仕組みはこう変わっている

  • レコメンドの重み > フォローの重み。モデルは、視聴時間、完了率、リプレイ、保存、共有(特にDM)、ネガティブフィードバックなどを総合的に評価して、誰に投稿を届けるかを判断する。これはフィード、Reels、Explore、そして今ではインボックスにも影響する。(Popular Science)
  • ネットワーク効果は“小さなグループ”に移動。2〜3のグループチャットで急拡散した投稿が、大きなフォロワー基盤で“そこそこ”な結果を出した投稿を上回ることがある。
  • 「チューニング可能」なフィードであって、「選択した」フィードではない。設定で大まかなカテゴリを更新・調整することはできるが、ランカーは依然としてユーザーシグナルと自らの予測を組み合わせる。(Androidsis)

正直なところのデメリットとリスク

  • ユーザーの主導権が薄れる。多くの人が“フォローだけのフィード”を望んでいるが、Instagramの回答は「コントロールを使って」だ。「デフォルトでフォローのみ」は用意されていない。(The Verge)
  • 広告ドリフト。レコメンド主導のシステムは、たとえオーガニックな発見が優れていても、“広告のベルトコンベア”のように感じられることがある。
  • 「もっと見る/減らす」によるフィルターバブル。新しいコントロールは、意図せず視野を狭めてしまう可能性がある。リセットは有効だが、定期的に使う人は少ない。(Phandroid)
  • クリエイターの不安定性。勝者は大きく伸び、平均的な投稿は早く沈む。

オペレーターのプレイブック(ブランド・クリエイター・企業向け)

1)DMで送りたくなる投稿を設計する

  • 投稿の中で“共有したくなる価値”を作る(チェックリスト、地図、ビフォーアフター、テンプレートなど)。
  • 公開向けの煽りではなく、プライベート共有を意識した一文を入れる:「保存しておこう」/「広告運用してるチームメイトに送って」など。
  • シェア数と保存数を最重要指標として追跡する(レコメンド主導の世界では最も予測力が高い)。

2)“初見”オーディエンス向けにパッケージする

  • 最初の1〜2秒で“約束”を提示する(「Reelsの保存数を3倍にする3つのフック」など)。
  • 転送されても字幕なしで意味がわかるよう、オーバーレイを明確に。
  • フォロワーだけがわかる“内輪ネタ”は避ける——視聴者がゼロコンテクストだと仮定する。

3)フォローは「配信」ではなく「定着」として扱う

  • フォロワーはリピート顧客であり、トライアルリーチはレコメンドから来る。DM転送を稼げるフォーマットを探すため、A/Bクリエイティブスプリントを走らせよう。

4)チューニングノブを戦略的に使う

  • フィードが“ズレている”と感じたら、定期的にレコメンドをリセット(設定 → リフレッシュ)。
  • 「興味なし」を積極的に押して不要なコンテンツを削り、良いカテゴリには「もっと見る/減らす」を活用。(Androidsis)

5)投稿タイミング:自分の“当たる時間”で出す

  • Instagramの「オーディエンスがオンライン」チャートはあくまで記述的。自分の“時間別インパクト”データでヒットタイミングを予測しよう。Rkiveを使っているなら、Peak Hoursは過去の勝ちパターンを元に設計されている。勝ち枠を固定し、オートパイロットに候補をローテーションさせれば、常に最適なタイミングで投稿できる。(ネイティブ分析は“ざっくり確認”用、自分のデータは“予測”用。)

チーム別の短期戦略

クリエイター

  • 「転送されやすさ」監査を実施:直近10投稿のDM数と保存数を確認。
  • DM/シェア率が最も高いフォーマットを2本追加制作する。

ブランド

  • 問題解決型のReelやミニプレイブック(同僚がチャットで共有する資産)を増やす。
  • フォーマットごとの保存数・共有数を週次レポートに組み込み、「いいね」に頼らない。

企業

  • よくある質問への返信動画パイプラインを構築(DMシェアの好材料)。
  • 「クリエイティブ × 分析」の習慣を導入:週次で「DM拡散」ランキングを出し、転送されないフォーマットは廃止。

ボーナス:複数アカウントを運用しているなら、Rkiveに勝ちパターンをPeak Hoursへ自動スロットさせ、月曜にMetrics Radarを見て次の実験を決めよう。承認はあなたの手で、リズムは機械が維持する。


今後注目すべきこと

  • 設定内の“ノブ”がさらに増える。ユーザーが“自分で操作している感覚”を得られるよう、興味・トピックの可視的な調整機能が拡張されるだろう——ただしレコメンドはデフォルトでオンのまま。(Androidsis)
  • インボックスでの発見。グループプロンプト、保存先DMフォルダ、「送信先」ナッジなど、DMを起点とする新たな発見パターンが登場。(Popular Science)
  • カテゴリの変化。政治的コンテンツの“蛇口”がコントロール付きで再び開かれたように、「センシティブ」または“曖昧”な他カテゴリも同様の扱いになる可能性がある。(The Verge)

結論

Instagramの発見エンジンは今、「誰をフォローしているか」ではなく「あなたが好きそうなもの」に最適化されており、プライベートな共有を重要な判断材料としている。フォローを増やすことでは勝てない。“DMで送りたくなる”投稿を作り、“初見”オーディエンス向けにパッケージし、“当たる時間”に投稿して、アルゴリズムが最大限に働ける環境を整えることが勝ち筋だ。新しいコントロールで自分のフィードを整え、分析でコンテンツマシンの健全性を保とう。


もしこれをあなたの週次計画に組み込みたいなら:(1)DM優先フォーマット2本、(2)ピーク時間投稿、(3)「共有&保存」KPIという2週間のテストをすぐに始められる。10日以内に、レコメンドエンジンが味方かどうか、次に直すべき点がどこかが見えてくるだろう。


参考文献


Read more from Rkive AI


About the author

Alberto Luengo is the founder and CEO of Rkive AI, a leading expert in AI for content automation and growth. He shares real-world insights on technology, strategy, and the future of the creator economy.

1
Instagramは静かに“フォロー”中心からレコメンド中心へと再配線している | Rkive AI